▼目次
産後胸が張るまでに大切なこと
母乳を作るプロラクチン濃度が一番高いのは、出産直後です。
有効な授乳・搾乳・セルフケアなどの刺激をしない場合、準備されたプロラクチン濃度は1~2週間程度で妊娠前に戻ってしまいます。
産後胸が張る前の時期に、授乳や搾乳を行ってプロラクチン濃度を保つことは、母乳が作られるためにとても大切です。
一方、陣痛を起こしたり、産後の子宮を収縮させて胎盤が剥がれたところからの出血を止めたり、母乳を出すためのオキシトシンは、授乳などの乳頭刺激に反応します。 産後は、ママの身体もまだ辛いですよね。
赤ちゃんだって生まれたばかりで、まだ外の生活に適応していく途中です。
帝王切開後や処置などですぐ動けなかったり、赤ちゃんが保育器に入ったり、思うように一緒にいられない場合もあります。 すぐに授乳できない場合や、赤ちゃんが上手く吸えない場合は、体調が許せばなるべく早い時期からプロラクチンを保ち、オキシトシンを刺激するセルフケアを始めましょう。
20220403追記
産後すぐからの初乳には、免疫物質の分泌型IgAが多く含まれています。初乳の黄色はカロチンだそうです。
母乳が出始める産後2~3日目になると、赤ちゃんは成長のためにカロリーが必要となり、母乳は乳頭や脂肪が増えてきます。
産後9日目に入ると、母乳は前回出された分を作るようになります。
引用参考文献 これでナットク母乳育児 p40
赤ちゃんはまだ母乳の1回量は少ないので、頻回に授乳する必要がおっぱいにも赤ちゃんにもあるというわけですね。
母乳が出始める産後2~3日(大体2-7日くらいといわれています)には、母乳量と脂肪球が増えることで、飲みだされない分はしこりとして硬く残ることがあります。
痛みはなくなっていますが、授乳後も胸が硬い感じです。
場所塞ぎをしていことと、母乳は出されないことで断乳と同じ方向に進み、母乳量が減りますので、後々母乳量を増やすのが難しくなってきます。
胸の張りはじめの後に、胸が熱くないけど硬くなっている方は、一度リンパケアで胸を柔らかくすると良いですよ。
寝たままでできる! 産後すぐから行える胸が張る前のセルフケア
胸の一番底の血流を改善する、乳頭の刺激、乳輪を整える目的で行います。
授乳の前に行うのも効果的です。
特に産後10日間は、2~3時間おきにセルフケアを行いましょう。
1. 乳首が前に向かうように胸を支えて行います。
2. 胸の底をソフトに保持して、胸の付け根を5㎜位フワフワと揺らします。
3. 乳輪を3方向に分けて背中側に押します。
4. 乳輪と乳頭を3本指でソフトにつまんで、親指で円を描くように動かします。(片方2分程度)
5. 母乳がぽたぽたと流れ出る様になってきたら、乳輪から5分程度母乳を絞ります。
胸が張り始めるまでの母乳量は1日30㏄位。1回の母乳量は数㏄、にじむから流れる程度です。
産後すぐに母乳が出てくるというイメージで、自分の母乳は出ないと思う方もいらっしゃるかもしれませんが、胎盤が出てから胸に反応が現れるまで3日から7日くらいかかるのが普通です。
胸の張りはじめは個人差があり、産後すぐに母乳が出始める方も少しいらっしゃいます。 張ってくる前は、抱き方やラッチオンの練習を行うのにもとても良い時期です。
ラッチオン練習 (交差抱きから横抱き)
ママが姿勢よくした状態で、赤ちゃんのお口が乳首の前に来るように高さを整えます。
飲ませる胸と反対側の手で、赤ちゃんの背中側から肩と首を支えて抱っこします。(交差抱き)赤ちゃんが顎から胸に向かうように、においをかぐような位置に支えます。
反対の手で胸の付け根を下から支えるか、乳輪を少し上に引いて乳首が少し上に向くようにします。
赤ちゃんの唇を、指か乳首でトントン刺激して、探索反射で口が大きく開き、舌が下がって少し見えるタイミングで、口の中の上あごに向かうイメージでくわえてもらいます。
手首だけで支え続けるのは腱鞘炎になります。授乳の位置が安定したら、反対の腕に抱き替えます。(横抱き)
ラッチオンのポイント
赤ちゃんの口の中は上に大きくスペースがあり、下には舌があるため、乳首が赤ちゃんの口にまっすぐに向かうように吸わせると、舌の先や下に入ってしまい、舌で押し返されたり、先だけ浅飲みになってしまいます。
浅くくわえると乳首の表面を引っ張って傷ができてしまいますので、赤ちゃんの顎に指を置いて、赤ちゃんが口をあけるタイミングで顎を少し引いて、下唇が大きく開くように手伝っても良いでしょう。 乳首が短かったり、陥没乳頭、乳輪が硬くて伸びにくい場合は、フットボール抱きがお勧めです。 産後すぐの赤ちゃんは、吸てつ反射によって口に入ってきたものを吸い、胸を刺激します。そのため、産後すぐのころはラッチオンがきちんとできていないと、乳首の表面を吸いすぎて吸いだこになって硬くゴワゴワになったり、傷ができて出血したりします。 母乳量が増えるとともに、吸って飲むのではなく、ソフト刺激に反応したオキシトシンの射乳反射で飛び出す母乳を飲むようになります。
赤ちゃんの頭を押さえると、反り返る反射があります。
飲ませようと頭を押さえるのは逆効果です。
赤ちゃんの探索反射は、おっぱいを探して口をあけて飲むために備えられています。
おっぱいを探すときに首を振る時がありますが、イヤイヤをしているわけではありません。
おっぱいは、靭帯で支えられています。
赤ちゃんに飲ませようと乳首を前の方にもっていこうとすると、靭帯に引っ張られて乳首が短くなって吸いにくくなります。
乳首から5㎝の範囲は赤ちゃんがくわえる部分です。
授乳の時には胸を広めに持って、軽く上下ににつぶすように背中側に引くことで、乳首は前に出ます。
©2021 by softening care for mom
Kommentare