<この時期の注意点> 産後数日に胸が張りはじめる【うつ乳】の時期に大切なことは、母乳が作られ始めたらすぐに対応を始めることです。
そのために、張り始める前に授乳の練習や乳頭乳輪のケアをしっかり行いましょう(張り始める前のケア参照)
搾ると張り返すからと母乳をあまり絞らずに冷やすのは、卒乳断乳のケアに似ています。
卒乳断乳は、母乳の中に入っている断乳因子を働かせるために、意図的に母乳が全体に同じように溜まっている状態を作ることで母乳を減らしていきます。
断乳スイッチが入るまでは48時間くらい。この間に母乳があまり出されずに経過すると、徐々に胸の張りは収まっていきますが、同時に母乳量は抑えられて行ってしまいます。
全体が同じように張っていればまだよいですが、部分的に強く張りすぎると乳腺炎担てしまう場合もあります。
母乳を絞ると張り返すからなるべく絞らずに冷やしたり、赤ちゃんが母乳を吸っているように見えても、母乳を上手に飲めずに母乳を吸い出せないままになってしまうと、意図せず母乳を減らす方向になってしまうんです。(ラッチオン参照) 母乳希望の方や、混合希望の方は、この時期は母乳が増える方向に(母乳を出していく方向)セルフケアを行う必要があります。 入院中に張り始める方も多いので、上手にラッチオン(授乳の方法)できるまで、母乳のプロである助産師の指導をしっかり受けましょう。 そうはいっても、お産後母子の体調や状況によって授乳が難しい場合もありますし、翌日まで赤ちゃんを預けるシステムの産院もあります。 母乳にこだわりはないけど母乳が出ると良いなという方も含めて、そういった場合は、一人でもできるセルフケアを行いましょう。
① 2~3時間おきに乳頭の先半分を3本指でトントンとソフトに刺激(片方2分位) ② 母乳が少しにじみ始めたら、親指、人差し指、中指の3本指で乳輪と乳頭を3秒くらいずつ位置を変えながらつまみます。少量の母乳を頻回に母乳を出したり、 <授乳のための★胸のセルフチェック> ① 胸の張りやむくみの状態や、張りが強い部分を確認(親指以外の4本指を平らにしてソフトに触れて胸の圧を確認、痛みの位置がどこまで広がっているかをソフトに触れながら確認、胸の付け根の底の部分に5本指の指先を添えて持ってみて底のしこりを確認します) 硬い部分や痛い部分に赤ちゃんの口が向かうように授乳するか、90度変えた方向で授乳します。 ② 上手にラッチオンができる様に乳輪の伸びを確認し、乳輪のむくみを取るケアを行います(むくみが強ければ、乳輪を背中側に3方向から押すセルフケア) ③ 陥没乳頭ならば、色々な方向から乳首を2本指でつまみながら、どの方向なら乳首が中に戻ってしまわないのかを確認して授乳の方向を決めます。(横線の入るタイプは、横線の両端に唇が向かうようにします。) ④ 乳首の表面の状態や開通の場所や太さをチェックします。(指で乳首を色々な方向からつまんでみます。しわが閉じてしわの中の腺が出されにくかったり、乳首の端っこや横に開いている母乳の出口は赤ちゃんの口でふさがれると出にくくなってしまいますし、細い腺や飛ばない腺は、太いしっかり飛ぶ腺より出される母乳が少なくなってしまうので必然的に残りやすくなります。
④ 赤ちゃんの口の周りをトントンソフトに触れて、探索反射を見てみましょう。顔を左右に振りながら口をあけておっぱいを探そうとします。舌の動きや体格・哺乳意欲に合わせてアドバイス 母乳がどの位置から圧をかけると出てくるのか考察して胸にあった搾乳位置や胸の保持方法を説明(うつ乳の時期には、胸の底からソフトに少しずつ圧をかけないと、母乳が出てこない場合もあります。) 固い乳頭が緩むセルフケアを説明(乳頭を3本指で縦につかんで5秒しっかり圧迫。3方向) 吸いだこなど硬くなった乳首の表面のセルフケア(2本指で乳首を保持して、親指でしっかり5秒圧迫) 搾乳器を使用する場合は、オキシトシン反射を説明し、出ない時間帯に引っ張らないように説明。(出ない時間帯はソフトな刺激をして次のオキシトシン反射を待つ時間帯です。引きすぎるとむくみが悪化して乳頭の皮膚がゴワゴワに硬くなってしまいます。)
母乳は、基本的に需要と供給で出した分が作られます。 最初の張りはじめの時期は、母乳が順調に増えていくための一番大きなタイミングです。 出さずに全体を張らせておくことは、母乳の断乳因子を働かせることになり、作られる量(張り)は抑えられていきます。 沢山作られるのに出されないと、胸は硬くしこりになっていきますし、部分的に圧がかかると脂肪やたんぱく質の粒が圧縮されて塊となり出る時に詰まったり、さらに乳腺に圧がかかると乳腺炎になる場合もあります。
逆に、空になるくらい出していると母乳は増えていきますが、必要な分以上に作られると母乳過多となります。 母乳過多は、母乳が残って分離することで脂肪やたんぱく質の粒ができて、詰まりを繰り返す場合もあります。
赤ちゃんが必要とする分が作られて、成長に合わせて授乳回数で刺激されて母乳量が増え、母乳量が増えると授乳回数が落ち着き授乳時間が減っても一回母乳量は増え、食事に移行するなど成長に伴って(又は計画的に)トラブルなく徐々に減っていくのがベストな状態かと思います。(卒乳や断乳の場合は、セルフケアが必要です)
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